石油取引のヘッジファンド運用などで知られるピエール・アンデュラン氏は、2025年最初の2カ月で昨年の利益を全て失った。不安定な商品市場での相場の乱高下が続いている。

アンデュラン・キャピタル・マネジメントの旗艦ファンド「アンデュラン・コモディティーズ・ディスクレショナリー・エンハンスト」は先月の運用成績がマイナス24%となり、年初からのマイナスは37%に達した。ファンドの運用実績に詳しい関係者が明らかにした。

関係者の1人が匿名を条件に述べたところによると、このファンドは昨年のリターンがプラス50%だった。アンデュラン・キャピタルの広報担当者はコメントを控えた。リスク限度額が設定されていないため、同ファンドの乱高下は珍しくない。

ピエール・アンデュラン氏

原油トレーディングで存在感を示すアンデュラン氏は、石油取引に特化したヘッジファンド運用者として最後まで生き残っている1人だ。

アンデュラン・キャピタルの運用資産は昨年10月末時点で約9億ドル(約1340億円)だったが、直近の数値は入手できていない。

今年に入ってからの損失の原因は明らかになっていないが、アンデュラン氏はここ数カ月、ココアと銅市場に対して強気の姿勢を崩していない。

昨年一時的に撤退した後に復活させた石油取引については、機敏かつ戦略的に取り組むつもりだと述べている。

原題:Andurand’s Hedge Fund Erases 2024’s Gains After 37% Slump (2)(抜粋)

--取材協力:Grant Smith、Mark Burton、Maddie Parker.

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