米供給管理協会(ISM)が発表した2月の非製造業総合景況指数は、前月から上昇し、活動の拡大ペース加速を示した。底堅い需要を背景に、雇用指数は約3年ぶり高水準となった。

雇用指数は53.9と、2021年12月以来の高水準。これで3カ月連続での上昇となった。仕入れ価格指数は62.6に上昇し、インフレ圧力のさらなる抑制を目指す米金融当局がなお課題に直面していることを浮き彫りにした。

今回のISM非製造業指数はサービス業の事業活動が堅調に推移していることを示唆している一方、政府が発表した最近の月次データは、米経済が今年厳しいスタートを切ったことをうかがわせる。アトランタ連銀の予測モデルであるGDPナウは、1-3月の国内総生産(GDP)がマイナスになると予測している。

こうした低調さは、輸入の急増が大きく影響している。トランプ政権による関税発動を控え、企業が国外からのモノの確保に力を入れたことを反映した。また企業の設備投資、個人消費、住宅建設も1月は低調さが目立った。

ISM非製造業景況調査委員会のスティーブ・ミラー委員長は発表文で、「事業活動の指数が若干の拡大ペース鈍化を示したが、他の3つのサブ指数はそれを補って余りある伸びだ」と指摘。ただ「関税がもたらし得る影響に対する不安は続いている。連邦政府の支出削減が事業の予測にマイナスの影響を及ぼしているとの指摘も一部にあった」と付け加えた。

2月は14業種で活動が拡大。金融・保険、卸売業、公益などが伸びた。3業種では縮小した。

新規受注の指数は前月から上昇。受注残は2023年7月以来の高水準となった。事業活動の指数も高い水準を維持した。

統計の詳細は表をご覧ください。

原題:US Services Expand at Faster Pace on Robust Employment Growth(抜粋)

(統計の詳細を追加し、更新します)

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