ニューヨーク証券取引所(NYSE)グループのリン・マーティン社長は米国の新規株式公開(IPO)市場について、今年は一段と正常化し、新型コロナウイルス禍がブームを引き起こす前に似た状況になりそうだとの見解を示した。

マーティン氏は4日、ニューヨークで開かれたブルームバーグ投資会議で、今年の米IPOの規模は約500億ドル(約7兆4800億円)になる可能性があると述べた。

ブルームバーグ投資会議に参加したNYSEグループのリン・マーティン社長

S&P500種株価指数は2月後半から急落し、トランプ氏が昨年の大統領選で勝利して以来の上昇分を帳消しにした。株価低迷が長引けば、米IPO市場が今年回復するとの期待は後退する。実績のない新興企業は通常、最も高リスクの銘柄と見なされるためだ。

しかしマーティン氏は今年の株価変動について、「予想が外れる可能性があるのは市場のボラティリティーが桁外れに高まる場合だが、そうはならないだろう」と話した。

米IPO市場は、多くのアナリストの予想よりも緩やかだったものの、過去3年よりも力強いスタートを切った。ブルームバーグ集計データによると、年初から3月4日までの米IPO規模は98億ドルと、前年同期比で36%増加した。ただコロナ前の水準には届いていない。

マーティン氏は「昨年、NYSEで実施されたIPOを見ると、二次市場で58%上げている。つまり、しっかりと準備を整えて、投資家にアピールできる材料がある企業のための市場がここにあるということだ」と語った。

原題:NYSE President Martin Sees ‘More Normal’ IPO Market In 2025(抜粋)

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