米政府は47州、コロンビア特別区、プエルトリコにまたがる不動産ポートフォリオの売却を検討している。連邦職員に加え、連邦機関が入居する建物の削減も目指すトランプ米大統領の取り組みの一環だ。

一般調達局(GSA)が4日公表した443の「非中核」資産リストには多くの優良商業ビルが含まれている。これらには連邦機関の地方・地域事務所が入居しており、納税者、社会保障受給者、農家、労働者向けのサービスを提供している。

 

物件は合計で約740万平方メートルの賃貸可能スペースを有しており、これは国防総省の12倍の広さに相当する。GSAは物件売却により、年間4億3000万ドル(約640億円)余りの運営費を削減できると試算している。

物件はまだ市場に出回っていないが、リストの公表に踏み切ったことは、政府所有の不動産を売却するという政権の意向を反映している。トランプ大統領からGSA傘下組織のトップに起用されたマイケル・ピーターズ氏は「非中核資産リストに載っているからといって、必ずしも売却されるわけではない」と説明。「しかし、購入の申し出があった場合には、それを評価する」と述べた。

リストに掲載された建物の約3分の1は首都ワシントン周辺にあるが、床面積は突出して多い。主要機関が首都に本部を置いていることが背景にある。売却対象となっている建物を有する省庁には農務省、エネルギー省、厚生省、住宅都市開発省、労働省、司法省、退役軍人省などがある。

一部の物件は売却した上で、連邦政府にリースバックする可能性もある。重要なのは利用されていないスペースをなくすとともに、維持費を削減し、不動産管理を一元化することだとピーターズ氏は述べた。

米首都ワシントンにある厚生省の本部ビル

原題:Trump Seeks to Put 443 Federal Properties Up for Sale (1)(抜粋)

--取材協力:Dave Merrill.

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