アラブ首長国連邦(UAE)のドバイは、ヘッジファンドの新規設立を主目的とした拠点を設ける。近年ヘッジファンドの成長拠点として浮上しているドバイへの進出を後押しする。

事情に詳しい関係者によると、ドバイ国際金融センター(DIFC)は、事業を拡大する前の試験運用として短期間利用できるオフィスを求める企業に対応するため、旧裁判所の建物を改装している。この拠点は「DIFCヘッジファンドセンター」として4月末までにオープン予定だという。

年末までに20-30の契約が締結され、1万平方フィート(約929平方メートル)の建物の大半が埋まる見込みだと、関係者の1人が匿名を条件に述べた。

DIFCはサンフランシスコとニューヨークでの最近の説明会でスペースに対する需要を把握した上で、ヘッジファンド会社の流入に備えている。関心を示しているのはほとんど米国と英国の企業だが、シンガポールと香港、インドの企業も含まれる可能性が高いと、施設開設の計画を確認したDIFCの広報担当者が明らかにした。

規制当局が基本承認を与え次第、入居者はネットワーク構築のための共有スペースや施設管理サービス、既にデスクや受付、トレーディング機能が設置された環境を利用できるようになる。

ドバイはこれまで業界の大手企業を誘致してきたが、現在はより小規模なスピンアウト企業や独立系の呼び込みに力を入れている。

また、近隣の施設はほぼ入居済みであるため、新拠点の誕生で大手の運用会社向けにも新たなスペースが生まれることになる。

ヘッジファンドは、収入の一部が非課税であることや1年を通じての好天、アジア・英国・中東市場での取引に適した時差といった魅力に引かれて、ここ数年UAEに移転している。ドバイは、免許料や資本要件の軽減といった特典も提供している。

原題:Dubai Woos Hedge Fund Startups With Dedicated Building (1)(抜粋)

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