(ブルームバーグ):台湾の鴻海精密工業がメキシコのハリスコ州グアダラハラ近郊に建設する人工知能(AI)サーバー工場は1年以内に完成する見通しだと、レムス州知事がブルームバーグ・ニュースとのインタビューで明らかにした。
この工場は米エヌビディアの先端AI半導体「GB200」を搭載したサーバーを組み立てる世界最大の工場となる予定。同知事によれば、鴻海はこの工場に約9億ドル(約1350億円)を投じている。トランプ米大統領は4日、メキシコなどからの輸入品に対し関税を新たに発動したが、インタビューはそれより前に行われた。
レムス知事は建設が「1年以内に完了する予定」だと説明し、新工場は今年終盤か2026年早期の開業が見込まれると述べた。鴻海の担当者はコメントを控えた。
米国と中国の間での緊張の高まりに伴い、鴻海はトランプ政権1期目にメキシコでサーバー関連事業を拡大し始めた。
トランプ大統領は2期目に入り、対メキシコ関税を強化。そのため、鴻海などの企業にとってはメキシコでの事業コストが上昇するリスクがあるが、レムス知事は同州への新規投資は伸びており、24年と比べ25年にさらに増える可能性が高いと話した。
「さまざまな工場から聞いた話では、トランプ大統領が発表した関税がどうなろうとも、メキシコで事業を継続するということだ」と同知事は述べ、「投資が減速する兆候は見られず、それどころか、ハリスコ州への投資流入が続いている」と強調した。
メキシコの半導体業界で事業をしている企業の約7割が同州に拠点を置いている。
原題:Foxconn Mega-AI Plant Ready in a Year Despite Trump Tariffs (1)(抜粋)
--取材協力:Jane Lanhee Lee.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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