(ブルームバーグ):トランプ米大統領が矢継ぎ早に進める政府の縮小・効率化を押し戻そうとする直近の法廷闘争を考察した結果、コロンビア特別区(首都ワシントン)連邦地裁のコリーン・コラーコテリー判事の頭の中に大きな疑問が浮かんだ。
「あらゆる部分でイーロン・マスク氏はどこにいるのか」という問いだ。
ベテランのコラーコテリー判事は24日、トランプ大統領とマスク氏率いる「政府効率化省(DOGE)」による「行政改革」のスピードと透明性欠如に関する審理に臨んだ。
米司法省の代理人は判事の質問に対し、マスク氏はトランプ大統領の信頼できるアドバイザーだと繰り返したが、DOGEの現在の管理者が誰か特定できず、そもそも管理者が存在するかどうか、DOGEが正式な政府機関かどうかも確認できなかった。
クリントン政権下で任命されたコラーコテリー判事は「目の前にある限られた記録に基づく限り、私は懸念を抱く」と語った。
DOGEの「行政改革」の相次ぐ訴訟を担当する判事の1人は、トランプ大統領による政府再編の現状を「混沌(こんとん)」と表現し、DOGEの職員と権限、活動に関する確かな情報を担当判事らは要求した。
首都ワシントン連邦地裁のランドルフ・モス判事は「例を見ない透明性の欠如」に言及し、ジョン・ベイツ判事は、DOGEの構造は説明責任の回避を意図したかのようだと指摘した。
トランプ政権に対し、発足後最初の1カ月で提起された90件余りの訴訟は、20件余りがDOGEに直接関係している。マスク氏のポジションやDOGEの構造、政府機関の内部システムに誰がアクセスするかが争点で、それら内部システムには米国民の決済データや個人情報が含まれる場合もある。
ホワイトハウスのフィールズ報道官は、DOGEの開示性に関する判事らの懸念を退け、「現状維持に熱心なキャリア政治家とアクティビスト判事」を批判した。
原題:Judge Prods ‘Where Is Mr. Musk’ as DOGE Legal Challenges Build(抜粋)
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