フランスのマクロン大統領は10日、同国の人工知能(AI)プロジェクトに内外の企業が総額1090億ユーロ(約17兆円)を投資すると発表した。大統領は、競争力のあるAI開発ハブとしてフランスを位置付ける取り組みを推進している。

今回のAI投資は、パリ開催の2日間のAIサミットで発表された。アマゾン・ドット・コムやブルックフィールド・アセット・マネジメント、アポロ・グローバル・マネジメントなどによる新規および発表済みの投資が含まれる。大半はアラブ首長国連邦(UAE)からのもので、仏大統領府の当局者によると、UAEは500億ユーロの投資を約束している。

オープンAIの「ChatGPT(チャットGPT)」をきっかけに世界的なAI競争が始まってから2年余り経過し、テクノロジー企業はより高度なAIシステムの構築を支えるため米国や欧州、その他地域で半導体やデータセンター、エネルギープロジェクトに多額の投資を行っている。しかし、マクロン氏らは、欧州がAI開発で米国や中国に後れを取っているとの懸念を示している。

フランスのマクロン大統領は人工知能プロジェクトに内外の企業が総額1090億ユーロを投資すると発表

マクロン氏は発表で、AIエコシステムにおけるフランスの役割を強調。今回のAI投資規模を、トランプ米大統領が先に発表した「スターゲート・プロジェクト」と比較した。オープンAIとソフトバンクグループ、オラクルによる同プロジェクトでは、向こう4年間でAIインフラに5000億ドル(約76億円)を投じる計画だ。マクロン大統領が発表した投資額より大きいが、フランスのGDP規模は米国の約11%程度だ。

1090億ユーロのほぼ半分はUAEからのもので、当局者によると、同国は以前、300億-500億ユーロの投資を計画していた。UAEのムハンマド大統領(アブダビ首長)は先週の夕食会でマクロン大統領に対し、500億ユーロの投資を約束した。

原題:Macron Touts €109 Billion of Investments in Bid to Become AI Hub(抜粋)

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