米国株は1月に他のどの月より上昇する傾向がある-。「1月効果」として知られるこの通説は、同月の利益が平均的な月より数倍大きいと研究で示されたこともあり、かつては否定しようがないと思われた。1940年から70年代半ばに小型株で最も顕著に表れたが、2000年ごろにかけ効果は小さくなったように見え、その後信頼を失った。

1月効果説の由来はどこか

1月効果の発見は、金融会社ワクテルを経営し、1942年に1月のアウトパフォーマンスを見いだした投資銀行バンカー、シドニー・ワクテル氏に由来すると広く考えられている。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)株価の均等加重指数に関する1976年の研究によれば、 1904年までさかのぼったデータに基づく1月の平均リターンはプラス3.5%と、他の月の同0.5%を上回った。

ソロモン・スミス・バーニーの1972年から2000年の市場データ分析では、より小さいがなお測定可能な効果が認められたものの、2000年より後は弱まった。

1月効果はどう説明できるか

多くの個人投資家がキャピタルゲイン税の支払額を減らすため、損失の出ているポジションを売りキャピタルロスを出して相殺する「タックス・ロス・ハーベスティング」を12月に行うためというのが、有力な説だ。翌年1月1日を過ぎると投資家は売りをやめ、株式ポートフォリオを補充するので株価上昇につながる。

NYSEフロアのトレーダー(1月2日)

今年の1月はどうか

今年の米株市場は、昨年終盤に急落した流れを受け、不安定なスタートを切った。利下げペースを落とす連邦公開市場委員会(FOMC)参加者の想定が示されたことへの市場の反応といえる。ラッセル2000指数は12月に8.4%下落し、22年9月以降で最悪の月となったが、売り込まれた株式は数週間以内に反発の構えを見せるかもしれない。

原題:What’s the ‘January Effect’ for Stocks? Is It Real?: QuickTake(抜粋)

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