アメリカ国防総省は、中国が保有する運用可能な核弾頭が去年から100発ほど増えて、600発を超えたとする報告書を発表しました。

アメリカ国防総省は報告書の中で、中国が持つ運用可能な核弾頭がおよそ4年間で3倍近く増加したとしています。今後も戦力の増強が続くとしていて、2030年までに現在の600発超から1000発を超える水準になると分析しています。

また、中国とロシアとの関係について、強固であり、さらに深まっていると指摘。ロシアのウクライナ侵攻を経済面や軍事技術面で中国が支えているとして、戦闘活動から得た知見を自国の強化に活用していると警戒感を示しました。

台湾海峡情勢についても、中国が近海で大規模な軍事演習を実施するなど、台湾への軍事的、政治的な圧力を強めていると指摘しています。

一方、中国外務省は19日の定例会見で報告書について、このように述べました。

中国外務省 林剣 報道官
「アメリカ側の報告書はこれまでと同様に、事実を顧みず偏見に満ち、中国脅威論を広めるものだ」

そのうえで、「アメリカ側は冷戦思考や覇権の論理を捨て、中国の戦略的意図や国防建設を客観的かつ理性的に見るべきだ」などと主張し、報告書の公表をやめて、米中関係の安定を促すよう求めました。