コンゴ民主共和国ではインフルエンザに似た症状の原因不明の病気「疾病X」の症例がさらに確認された。世界保健機関(WHO)は調査支援のため緊急対応チームを派遣した。

WHOの8日の声明によると、クワンゴ州パンジ保健区域では10月24日から12月5日までの期間に発熱や頭痛、せき、鼻水、身体の痛みなどの症状を訴える患者が406人報告された。アフリカ疾病予防管理センターが先週発表した376人を上回った。

患者の半数余りは5歳未満の子供だが、イタリア紙イル・テンポの報道によると、コンゴから帰国後にイタリア・ルッカの病院に入院していた50歳男性が感染していた疑いがある。この男性はその後回復した。

WHOによれば、これまでに確認された死者は31人で、先週報告された79人より少なかった。

感染者はクワンゴ州の農村地域に集中しているが、道路事情の悪さや雨の多い気候のため首都キンシャサから現地到着までに約2日間かかる。この地域にアクセスしにくいことが、この病気による死者数の確認を妨げる要因となっている。重症者には、深刻な栄養失調に陥っている患者が含まれており、感染源の特定を一層困難にしている。

感染者の様子や症状から判断して原因因子として考えられるのは、急性肺炎やインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、はしか、マラリアだとWHOは指摘した。

この地域ではマラリアはよく見られる病気で、それが原因または一因になっている可能性があるという。WHOは「現在、原因の特定に向けて検査が行われている。現段階では複数の病気が原因となって、患者や死者が出ている可能性もある」との見解を示した。

原題:‘Disease X’ Outbreak Widens as UN Sends Health Team to Congo (1)(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2024 Bloomberg L.P.