米航空宇宙局(NASA)は5日、50年強ぶりとなる月面への有人着陸計画を2027年に延期すると発表した。ハードウエア面の重大な安全問題のためで、NASAのエンジニアは問題修正と今後の飛行に向け必要な計画調整を急いでいる。

NASAは、月面着陸に先立ち実施される宇宙飛行士4人の月周回ミッション「アルテミス2」を従来の予定から7カ月遅らせ、26年4月とすることも明らかにした。この有人ミッションには、初の女性飛行士に加え、有色人種や米国人以外のメンバーも参加する予定。

これは、30年までのいずれかの時点で人類を再び月に送り込むための段階的な計画の一環だ。宇宙船開発のコスト超過や技術面のハードルで、計画は度々スケジュールの遅れに見舞われてきた。

NASA、有人の月面着陸計画を2027年に延期すると発表

今回の延期は、米ロッキード・マーチンが開発した宇宙船「オリオン」の耐熱シールドの不具合が主な原因。

22年に行われた無人の月周回ミッションでは、地球に帰還する際に大気圏突入時の高温から飛行士を守る耐熱シールドの一部が剝落し、将来の有人飛行の安全性を巡る懸念が高まっていた。

NASAのネルソン長官は5日、詳細な検証を経て、現在の耐熱シールドを維持しつつ、地球の大気圏突入時の軌道を変更することを決定したと説明。後続のアルテミスのミッションについては、新たな耐熱シールドが宇宙船に取り付けられる予定だという。

ネルソン氏は27年への計画延期について、30年までに有人月面着陸を実現するという「中国政府が表明した方針よりもはるかに先を行っている」と記者団に語った。

原題:NASA Delays First Moon Landing in More Than 50 Years to 2027 (3)(抜粋)

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