(ブルームバーグ):「お世辞には限界がある。弱みを見せず、決して卑屈にならず、常に難しい質問をすることだ」。これはドナルド・トランプ氏の主要20カ国(G20)首脳会議(サミット)に対するアプローチに精通したベテラン外交官の間での南アフリカのラマポーザ大統領に対する助言だ。
世界的なひのき舞台での経験が比較的浅いラマポーザ氏は来年、米大統領へのトランプ氏復帰後初のG20サミットを主催する。
ブラジルのリオデジャネイロで開催されたG20サミットでは混乱が続いた。イベントは常に遅れ、主催者は首脳全員の集合写真の撮影を2回に分けて試みたにもかかわらず失敗した。ただ、嵐の前の静けさもあった。
バイデン米大統領は比較的存在感が薄いままで、2国間会談も数回しか行われず、他の首脳に対する個人的な攻撃も避け、最終コミュニケにも異議を唱えることなく署名した。
こうした中、カナダのトルドー首相は19日の記者会見で「多国間主義やサミットを常に優先しない米大統領との協力を巡る課題は現実化する」と指摘。「新たな課題が生まれることに疑いの余地はない。だが、われわれは以前にもこれを経験している」とコメントした。
トルドー氏は2018年にカナダのケベック州で開催された主要7カ国(G7)サミットで議長を務めたが、閉幕時の記者会見での発言がトランプ大統領(当時)の逆鱗(げきりん)に触れ、米代表団に首脳宣言を承認しないよう指示する事態となった。
トルドー氏は来年6月に再びG7サミットの議長を務める予定で、トランプ氏にとってはおそらくこれが政権2期目の国際舞台デビューとなる。
一方、ラマポーザ氏は来年のG20サミットでトランプ氏を迎えることに緊張感を抱いていないようだ。
ラマポーザ氏の側近によると、同氏は実業経験のある南アで最も裕福な人物の1人として、同じく実業家から政治家に転身したトランプ氏と親密な関係を築くことができると確信している。また両氏ともゴルフを愛好していることから、ラマポーザ氏は18ホールを回ることで絆を深めることができるか考えを巡らせている。
南ア政府当局者は基本的にトランプ氏をディールメーカーと見なしており、その取引スタイルと連携することは可能と考えている。南ア側に譲歩する用意があるほか、ロシアによるウクライナ侵攻などの主要な問題ではトランプ氏が同調するとみている。
ラマポーザ氏はまた、トランプ氏側近の1人となった南ア出身の実業家イーロン・マスク氏とも親交を深めようとしている。マスク氏は自ら率いる宇宙開発企業スペースXの衛星通信サービス「スターリンク」の南アへの拡大に向けた承認を得るためにラマポーザ氏に働きかけている。
ラマポーザ氏の戦略における最初の試練は2月に訪れるかもしれない。同月に開催されるG20外相会合にはトランプ氏が国務長官に指名したマルコ・ルビオ氏が出席する可能性がある。
原題:Can Golf Help Tame Trump at G-20? Next Host Is Already Asking(抜粋)
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