(ブルームバーグ):SOMPOホールディングスの株価が上場来高値を更新した一方、東京海上ホールディングスとMS&ADインシュアランスグループホールディングスの株価は下落した。3社はともに中間期の純利益が最高を更新し、追加の株主還元策を発表したが、市場の評価では明暗が分かれた。
SOMPOの株価は一時前日比14%高の4053円まで上昇した。東京海上Hは同7.5%安の5601円、MS&AD株は同5.5%安の3498円までそれぞれ下落した。
19日の決算発表と同時にSOMPOは発行済み株式総数の7.4%、総額1550億円を上限とした自社株買いの実施を発表した。
SOMPOについて野村証券の佐々木太アナリストらはリポートで「株主還元の拡大をポジティブに評価」と指摘。SMBC日興証券の村木正雄アナリストもリポートで、自社株買いの規模は同証が予想していた1200億円を上回った上、市場では1000億円を下回るとの見方もあったと思われ、「ポジティブな印象」と評価した。
東京海上HとMS&ADもそれぞれ今期業績を上方修正し、東京海上Hは増配、MS&ADは自社株買いの実施を発表したが、株価を押し上げる評価には至らなかった。
SMBC日興の村木氏はリポートで、東京海上Hの今期業績見通しについて、商業用不動産(CRE)の想定損失を期初の9000万ドルから今回8億5000万ドルへと大幅に増やしたとしてネガティブと評価した。
モルガン・スタンレーMUFG証券の竹村淳郎アナリストらはリポートで、MS&ADについて「通期会社計画の上方修正は600億円の自社株買い発表を含む好決算だった」とした上で「ただし株式市場の期待も応分に高かったとみられる中、同社に対する見方を大きく変えるものではない」との見方を示した。

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