東京ガスの株価が急騰し、1987年以来の日中上昇率を記録した。アクティビスト(物言う投資家)の米ヘッジファンド運営会社エリオット・インベストメント・マネージメントが株式を5.03%保有していることが19日、明らかになった。

20日の日本株市場で東ガス株は買い気配で始まり、売買成立後は一時前日比573円(15%)高の4393円まで上昇。ブルームバーグのデータによると、上昇率は87年2月24日(17%)以来の大きさとなった。

 

関係者によると、エリオットは東ガスが保有する新宿パークタワーなどの不動産を売却するよう求める。75を超える資産・プロジェクトは非中核で売却可能だと同ファンドはみており、資産価値は最大1兆5000億円程度とみているという。

上場企業が抱える不動産の含み益は22兆円に上るとの試算もあり、アクティビストを中心に投資家の注目の的となっている。東京証券取引所が株価を意識した経営を呼びかける上で、株価純資産倍率(PBR)の1倍割れについて言及して以降、企業に資本効率の改善を迫る動きが活発化している。

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャーは、東ガスはPBRが1倍を下回っており資本効率を改善する必要があるとみる。「不動産を売却するなどして、本業への投資であったり自社株買いをしたりして企業価値を向上すべきだというのはまっとうな指摘だ」との見解を示した。

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