今回の日米首脳会談、バイデン政権としてはどのような思惑で臨んでいたのでしょうか。

バイデン大統領が重視していたのは中国を抑え込むため、安全保障・防衛の分野で日本から一段、踏み込んだ協力を引き出すことで、一定の成果を収めたと言えます。

アメリカ バイデン大統領
「日米同盟が発足して以来、最も重要なアップグレードだ」

バイデン政権は日本が参加する複数の枠組みを使って中国包囲網を築いていこうとしています。

去年、日米韓3か国の首脳会談を開いたほか、11日には日米にフィリピンを加えた3か国での初めての首脳会談を予定していて、一段と強化される日米の安全保障の協力体制に他の国を巻き込んで中国を抑止していく方針です。

一方、経済分野で喉に刺さった小骨のようになっているのが日本製鉄による「USスチール」の買収計画です。

バイデン大統領は記者会見で買収に反対する労働組合に歩調を合わせる考えを改めて表明しましたが、「同盟国との約束も守る」と述べ、アメリカへの最大の投資国である日本への配慮も示しました。

バイデン氏にとっては支持基盤の労働組合と同盟国の日本の双方に気を配る必要がある問題で、今後も対応に苦慮しそうです。