専門家によりますと、こうしたICT機器が現場で上手く機能しないケースが多くあるのです。

NTTデータ経営研究所 先端技術戦略ユニット 大塚恒治さん:
とりあえず導入してしまって、結果として現場が使えないまま終わってしまう。具体的には経営層が入れてみようととりあえず持ってきて現場におろす。現場は自分たちの課題に沿ったものではない可能性が多いので、自分たちでうまく使いこなせずにそのままお蔵入りしてしまうというケースが多いと感じています。

そこでみのりの里の施設では、介護ロボットなどの導入を支援する県の事業に参加しました。

県から紹介された専門家のアドバイスに沿って、何が必要か現場の声を拾い集めたのです。

導入のプロジェクトリーダー 渡辺格さん:
一番効果的な、一番改善しなくてはいけないものを決めるところが導入前の打合せの段階で苦労しました。

協議の結果、夜勤の職員の負担軽減を第一に「見守り装置」を導入することを決めましたが。

渡辺さん:
従業員の中で(機器への)知識にムラがあったり、(操作が)この人でないとできないというところで大分苦労しました。

職場でパソコンを操作する機会が少ないため、苦手意識を持つ職員も多く不安や抵抗もあったそうです。

渡辺さん:
面倒くさいとかこれはできないといったマイナスな意見が多く聞かれたが、部下がもしマイナスな弱音をはいた際は「大丈夫」「できるよ」と合言葉にして進めた。

また分かりやすいマニュアルを作成し、設定はパソコン操作に長けた職員に限定するなど 取り入れやすくなるよう工夫しました。