久保田さんが軍艦島に興味を持ったのは大学4年生の時。すでに閉山が決まっていた軍艦島のドキュメンタリーを見たことがきっかけでした。

大学在学時の久保田さん

久保田要さん:
「5300人もの人が住んでいた都市が突然消えるということ、7階、10階もある建物が並ぶ島の姿に『どうしてこの島ができたんだ?』と思った」
「狭い島に高密度で人々が暮らすこの姿は、未来の東京の縮図だと思い、見てみたいと思った」

そこで久保田さんは、当時在籍していた東京電機大学で集落と建築について研究する阿久井喜孝教授に相談。
阿久井教授も同じ考えを持っていたことから2人が発起人となって、東京大学の滋賀秀實助手(当時)も加わり、軍艦島の実測調査を行うことになったといいます。

調査は、3人と学生も含めた11人が中心となる第一次調査隊が、閉山した年の7月に上陸。

この時には軍艦島が無人島となって、たった3か月しかたっていませんでしたが、すでに風化が進んでいたそうです。