山梨県議会では最大の汚点として、2016年に議会内の対立から予算案が成立せず流会したという前代未聞の出来事がありました。

その反省から制定された議会基本条例には「知事などの役割を尊重しつつ常に緊張ある関係を保ちながら是々非々を基本原則に県民福祉の向上に貢献する」と書かれています。

江藤教授:
「議会基本条例の理念というのは、与党も野党もしっかりと一丸となって住民のために頑張ってと。この姿勢に(今の県議会は)逆行していますね。議員自身が委縮しちゃっているところもあると思うんですよ。しっかりと住民の方を向いて監視や政策提言するのが筋なんですけれど、どうしても委縮した形で動いたりせざるを得ないというね。この構造というのがすごく今回の議会で浮き彫りになったのではないか」

一方でたらいまわしと批判されている3期目などの自民党県議による議長交代は、今回も行われました。

江藤教授:
「ここまで戦後たくさんの議長が生まれているのは山梨だけ。議長というのはしっかりと議会をまとめながら知事と政策競争する大事なこと。こういうたらいまわしは、しっかりと議会を運営しようとする議会にとってはありえないこと」

県内だけでなく国会でも「政治家としての責任」が問われている中、江藤教授は県民の「政治への責任」についても触れました。

地方行政学が専門 大正大学 江藤俊昭教授:
「どういうことをやってきたのかを忘れないで、しっかりと選挙権を行使する必要がある。私たちは(票を)入れた責任、投票責任は問われてきている。今までどうだったかも含めて議会が問われた問題だというのが明らかになったから、知事に対しても議員に対しても再度投票責任を考える必要に迫られてきた」