2022年、山口県防府市の高齢男性(当時75)から、約1250万円が入ったポーチを盗み取るなどしたとされる男(27)の裁判。17日に山口地裁であった裁判では、男が“反グレ”組織から2度監禁され、金を要求される中で犯行に及んだことが明らかになりました。 

暴行と窃盗の罪に問われているのは、住所不定・無職の男(27)。起訴状などによると、男は2022年6月、山口県防府市の高齢男性の自宅前で、男性の顔に催涙スプレーを吹きかけ、約1250万円が入ったポーチをひったくったとされます。男は全国に公開手配され、栃木県宇都宮市内で逮捕されました。 

これまでの裁判で男は「半グレ」と呼ばれる、暴力団ではない反社会的な“組織”から与えられた営業の仕事をしていたところ、組織の金を盗んだなどと因縁をつけられ、2000万円を払うよう要求されたことから犯行に及んだことが明らかになっています。2022年5月は、友人と同じ男性から金を奪おうとしたところ、友人が逮捕されて失敗し、6月に1人で再び犯行に及んだことを決意したといいます。 

7日、山口地裁であった公判。 

検察側は、男が過去にオレオレ詐欺に関わっていたことを指摘。男は2019年10月に仮出所したあと、栃木の実家で過ごしていましたが、オレオレ詐欺の時と同じ地元の先輩に誘われ、再度反グレの組織とつながりを持つようになりました。2000万円を支払うよう組織から要求され犯行に及んだものの、ひったくった1250万円のうち組織に渡した金は600万円で、自分の手元に600万円以上置いていて、逮捕されるまでの間に質屋で窃盗を繰り返していました。逮捕時、男の所持金は86万円ほどでしたが、残りのおよそ560万円は逃走中の生活費や借金の返済などに充てていたということです。