山口県阿武町が誤って1人の住民に4630万円を振り込んだ事件で、誤ったものと知りながら別の口座に振り込み、不法に利益を得たとされる田口翔被告(24)の裁判が27日、山口地裁でありました。論告で検察は「正当な権限がないのに、不当な利益を得たのは明らか。被害結果は重大。自己中心的な犯行で、酌量の余地はない」として、懲役4年6か月を求刑しました。
起訴状によりますと、田口被告は今年4月、町から振り込まれた4630万円が誤ったものと知りながら、ネットカジノの決済代行業者の口座に振り替え、不法に利益を得たなどとして、電子計算機使用詐欺の罪に問われています。
田口被告は警察の調べに「オンラインカジノに使った。うまくいけばお金を増やせると思った」と供述。これまでに阿武町は業者などから4630万円を回収しました。また田口被告は解決金347万円あまりを支払い、謝罪することで、町と和解が成立しています。弁護人の山田大介弁護士は「送金の時にうその情報を入力していない」などとして、電子計算機使用詐欺の罪にはあたらないと、無罪を主張しています。
この裁判はきょう審理を終え、来年2月に判決が言い渡される予定です。