今年8月、山口県岩国市の山陽道で、軽乗用車に乗っていた福岡県の女子大生2人(当時20歳、21歳)がトラックに追突され焼死した事故です。過失運転致死罪に問われている熊本県荒尾市の元トラック運転手の男(65)の判決公判が24日、山口地裁で開かれ、裁判所は男に拘禁刑1年6か月の実刑判決を言い渡しました。
判決などによりますと、男は2025年8月21日午後4時10分ごろ、岩国市周東町の山陽道で安全確認が不十分なままトラックを運転。渋滞で停止していた軽乗用車に気づかず時速85キロ程度で追突し、乗っていた女子大生2人を焼死させました。
山口地裁で開かれた判決公判。男は初公判と同様、黒のスーツに黒のマスク姿で出廷しました。
嶋本有里子裁判官は、電光掲示板などで渋滞を知っていたにも関わらず、最も基本的な注意義務に違反して事故を起こした。時速85キロ程度でトラックと軽乗用車の車間距離が約300メートルであったことからすると、10秒以上前を見ていなかったことになり、過失は重大であると指摘。一方で、無免許や酒気帯び、携帯電話へのわき見など違反行為を伴うようなものではなく、特に悪質なものとまでは言えないとしました。
しかし何よりも、2人の尊い命が奪われたという結果は極めて重大で、2人はそれぞれ将来の夢に向けて努力していた。何の落ち度もないのに突如として大切な家族や友人を残し未来を奪われた無念は計り知れない。また、突然家族を失った遺族らの悲しみ、絶望感は察するにあまりあるとしました。
犯情の悪さや結果の重大性に照らせば実刑が相当として、拘禁刑1年6か月の実刑判決(求刑拘禁刑2年6か月)を言い渡しました。
検察が提出した供述調書のなかで、亡くなった女子大生2人の両親は「怒りでどうにかなってしまいそう。娘を返してくれ」「遺体と対面し、本当の絶望を知った」などと、胸の内を明かしていました。













