2025年10月、山口県山陽小野田市の中学校で平和学習が行われました。去年ノーベル平和賞を受賞した日本被団協代表委員の箕牧智之さん(83)が、約1時間にわたって中学生らに伝えたのは、"平和への思い"でした。講演の内容を、ほぼ全文掲載します。

山陽小野田高千帆中学校の皆さん、また地域の皆さん保護者の皆さん、それから
今日は高校生も来ておられるように聞いておるんですが、皆さんにね、本当は元気な姿を皆さんに見せたいんですが、さすがに83歳ともなりますとね体が弱って、今、実は入院中なんですよ。病院から駆けつけて来たんですよね。本当は元気な姿をね皆さん方に見せて元気な声でお話をしたかったんですが、そういうことで失礼なところもありますが、よろしくお願いいたします。

戦争、原爆と箕牧さんの人生

きょうは先に原爆被害に遭ったことをUSB(スライド)でお話させてもらった後にね、去年12月10日、ノルウェーのオスロで、ノーベル平和賞をいただいたときのことをDVDで流したいと思いますので見てやってください。お願いします。座ってやらせてもらいます。よいしょ。

これは皆さんあの、時々英語みたいなのが入りますが皆さん中学生だから大丈夫と思います。アトミックボムダメージですね。これが私、箕牧智之は戦争のこと原爆のこと。戦争が終わった後の広島と私の人生をお話をさせていただきます。

徴兵制度と学徒動員

これが軍隊手帳なんですね。兵隊さんはね、みんなこれを持っていくんですよ、軍隊手帳。皆さん方は中学生、高校生あたり、生徒手帳というのは持っておられると思うんですが全然時代が違いますからね。戦争に勝つことしか書いてないようなことが。死ぬときにはね、天皇陛下万歳って死ぬんよというようなことまで書いた。

兵隊さんは尊敬された。僕も大きくなったら兵隊さんになりたい。戦争が激しくなり、兵隊さんが次々戦死されてとうとう大学生が兵隊さんとして召集され、学問を投げ打って、戦地に赴き、尊い命が失われました。戦時中の思想教育は、戦意高揚の教育でした。

これがあのレッドペーパー、赤紙ですね。皆さんの家へこういう紙が届いたらお父さんは戦争に行くようになるんですよ、何月何日にどこどこへ召集せよというようなね、これはお手紙です。