戦時中に起きた、山口県宇部市の海底炭鉱・長生炭鉱の水没事故で、犠牲者の遺骨発掘に向けて事前の潜水調査が始まりました。
太平洋戦争のさなか、宇部市の海底にあった長生炭鉱が水没する事故があり、朝鮮半島出身者136人を含む183人の労働者が犠牲になりました。
その遺骨は今も炭鉱の中に残されたままです。犠牲者の遺骨発掘を目指す「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」は水中探検家の伊佐治佳孝さんと、今も残る炭鉱の排気筒、岸側のピーヤからの潜水調査を行いました。
今回の調査の目的は来年予定されている本格的な発掘調査を前に内部の構造などを確認することです。
午後4時。
伊佐治さんが岸側のピーヤから潜りました。
15分間の潜水調査の結果、水深23・6メートルにパイプなどの鋼管が折り重なっていることが分かりました。
また、前回調査した沖側のピーヤより、視界が悪かったということです。
水中探検家 伊左治佳孝さん
「ピーヤの手前も奥も同じ状況なので、やるんだったらパイプ」の引き上げがいりますね」
長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会 共同代表 井上洋子さん
「パイプをのければ中に入っていけるわけですから、そういう作業も坑口の方と両方でまたやっていけるかなという風に思います」
30日には9月に発見された炭鉱の入り口、「坑口」からの潜水調査が予定されています。