ドライブレコーダー=車用のカメラで、映像や音を常に記録するものです。値段も安くなってきたということで、最近付ける人が増えています。交通事故の時の証拠にもなることから、いま自動車保険に付いているものもあります。事故をしたときにどのくらい役に立つの?そして、選ぶときのポイントは?ドライブレコーダー事情を調べてきました。
カー用品店を訪れた客:
「接近されたり、まああおり運転まではいかないでしょうけどね、ちょっと怖いっていうから、こういうドライブレコーダーをつけたら、少しはいいんじゃないかと思ってね」
最近、急速な普及をみせているドライブレコーダー。あおり運転や交通トラブルといった、決定的な瞬間を収めます。交通事故にあった時のために購入する人が多く、2021年は500万台以上が出荷されています。

交通事故の訴訟を500件以上担当している伊藤洋一弁護士(山口市)に、ドライブレコーダー事情を聞いてきました。

ドライブレコーダーの映像は裁判で証拠として使えるのでしょうか。
伊藤洋一 弁護士:
「証拠になります。裁判上、ドライブレコーダーの映像によって過失割合が決定されることは多々あります。最近では担当する半分以上のケースで、ドライブレコーダーの映像を証拠として利用しています」

交通事故では当事者どうしで意見が食い違うことが多いため、客観的な証拠となるドライブレコーダーの映像は真実解明のための大きな手がかりとなるそうです。ドライブレコーダーの映像によって、相手の過失が認められ不利な状況から逆転したことや、裁判にならずに示談が成立したこともあるということです。
伊藤弁護士:
「信号の色、相手の車の動きとか、そういうものが映っておけばいいかなと思う。あと音とかも大事です」
裁判で争点となるのは、どちらの運転が事故を引き起こしたか。信号の色や、一時停止をしていたかなどがポイントとなるそうです。自分がウインカーを出していたかどうかは、映像に映っていなくても音で証明できることもあります。
ドライブレコーダーの登場でこれまで立証が難しかった黄色信号での無理な加速などを映像で確認できるようになりました。
ただ、どんなものでも証拠になるわけではないようです。
伊藤弁護士:
「解像度が低い場合、撮影範囲が狭い場合とかでは、信号の色とかが映っていない可能性がありますので、証拠としての価値が低い可能性があります」
ドライブレコーダーを買うときは信号の色や停止線がはっきりと写るものを選んだほうがよさそうです。

カー用品店には、さまざまな種類のドライブレコーダーが並びます。
オートバックス山口湯田店・藤村隆 店長代理:
「前方だけ撮る1カメラのタイプと、前と後ろを撮る前後の2カメラ、あと全周ぐるっと映せる360度のカメラと、前方に360度プラス(後ろをカバーする)リアカメラというタイプ。あと最近ちょっと増えてきているのが通信型ドラレコっていうのが出てきています」

主流は、内蔵されたSDカードに映像を保存していくタイプです。しかし記録できる容量が限られていて、一定期間以上の映像を保存できません。また大きな事故で車が燃えた時は、データを失う可能性があるというデメリットもあります。通信型は撮った映像がインターネットを通じて保存され、火災や盗難でデータがなくなる心配がないそうです。

他にもこんな機能が…
藤村店長代理:
「運転中の方に何か起きたりした場合に、家におられるご家族の方とかが運転者の方に電話で呼びかけたり。ドライブレコーダーを通して、そういった見守りとかの役割もだんだん増えているかなと思います」
スマートフォンと連携して駐車時の車の異常を教えてくれるものや、急発進・急ブレーキを感知して、運転技能をチェックしてくれるものなど、機能も増えてきています。
運転中のちょっとした出来事や、楽しい旅の思い出も記録してくれます。しかしトラブルにつながることもあるそうです。

















