阿武中学校では、終業式や講演会など生徒が集合する機会は年に10回以上あるそうです。
講演などでは2時間近く座ることもあるようです。

学校は、生徒たちへのアンケートを実施しています。
「体育座りからパイプいすに変わって」体への負担は。
・小さくなった31人
・大きくなった1人
・変わらない6人

集中力は。
・上がった19人
・下がった1人
・変わらない18人。

生徒たちの反応もいいようです。

中学3年生
「腰がよく痛くなるんですけどいすに変わったからクッションがあるから腰の負担も楽になるし集中して聞きやすいようにはなりました」
中学3年生女子生徒
「半ズボンをはいているんですけどやっぱり恥ずかしいという部分はあります、床の上に座るのが掃除をしていてもちょっといやだなという部分はありました」


先生にとっても、生徒にとっても、「それが当たり前」だったので考えを深める機会がなかったのでは?
矢田部校長はそう考えます。

矢田部校長
「やっぱり全校集会などで長時間に渡って体育座りをしているとだんだん子どもが集中力が切れてきてつらそうだなというのをみて、こういう風な取り組んだらいいんじゃないかと思いました」
「生徒の人権を尊重する立場からすると床に直接座るというのは学校以外のどこの世界にそれがあるのかという思いはあります」

パイプいすには、ゴムのカバーが取り付けられ床が傷つかないように工夫されています。
カバーの費用はおよそ10万円かかりましたが、PTAが学校に寄贈しました。

阿武中学校 池田倫拓PTA会長
「校長先生から提案があったんですけど、皆で話し合った結果、それはいいことだろうということで、体育館にいすを並べるときの効率化を図れるというところで生徒の負担を減らす部分とで賛同しました」


阿武中学校で指導する、中南米、トリニダード・トバゴから来た外国人指導助手。何カ国も訪問していますが体育座りは日本で初めて見たそうです。
やってみた感想は「あぐらのほうが楽」だそうです。

生徒58人の、比較的小規模な学校なのでスムーズに導入できたという側面はあります。

大規模校や小学校低学年ではいすの出し入れに時間もかかり、会のスムーズな運営に支障が出る可能性もあります。

それぞれの学校で事情に応じて判断することのようです。

矢田部校長
「条件が許す、全体人数、購入費用、出し入れの問題もありますけど、条件の許す学校については人権尊重の観点からも広がっていくといいなと思っています」