山口県内は今週末、お花見の最盛期となりそうです。

私たちに春の風情を届けてくれるサクラですが、実はサクラ自体の高齢化で全国的に衰弱しているものも多いとされます。

そうした中、全国のサクラを守ろうというキャンペーンがスタートし、ここ、錦帯橋周辺のサクラを守る活動が支援されることになりました。

桜並木が続く道。そこを抜けると…。

錦帯橋と河原を彩るサクラが見えてきます。

県内有数のサクラの名所。

およそ1500本が植えられ、シーズンには、例年、20万人以上が訪れます。

橋から250メートルのところにあるのが…

「いざない街道」。


取材したこの日は、まだ5分から6分咲きでしたが、道の両側1キロほどにおよそ260本が植えられていて、満開時期のサクラのトンネルは知る人ぞ知る、絶景です。

そのほとんどがソメイヨシノです。

北九州市から
「地図を見たらサクラのトンネルと書いてあったので。これだけあったらけっこうきれいなんだろうなと思って」

地元の人の散歩コースともなっているようです。

地元の人
「(満開のときは)きれいですよ。散ったときもこのへんすごくじゅうたんみたいできれいですよ」

しかし、それは、いつまでも続かないかもしれません。

全国的に、サクラの衰弱が進んでいるというのです。


県立山口博物館 杉江喜寿学芸員(植物担当)
「(ソメイヨシノは)戦争が終わったあとの復興とか、高度成長期になって『華やかな木がほしい』というのではやって、それがだいたい同じ時期に植えられたので、50年60年たって寿命が来ている木が増えてきたということもあるんだと思うんですよね」

「いざない街道」のサクラも例外ではありません。

岩国市が樹木医に依頼して、健康状態を調べていますが古い木が多数あります。

杉江学芸員
「どの木でもそうですけど、こまめに手入れをして、病気でも早く発見して、枝を切ってあげるとか、そういうふうなことをしていけば、長持ちはすると思うんですけど」

市は、「いざない街道」をはじめとした錦帯橋周辺のサクラの保全に向けて、取り組みを始めています。

その活動を、ある企業が支援することになりました。

キリンビールが先月発表した新ブランド「晴れ風」。


これに合わせてスタートしたのが「晴れ風ACTION」です。

売り上げの一部を使って、「日本の風物詩」を未来へつなぐための支援をするもので、その第一弾が「サクラ」。

全国の自治体が支援先で、岩国市も選出されました。

「晴れ風」缶の裏側に印字された二次元コードなどから専用サイトにアクセス。

1日1回、0.5円分の「晴れ風コイン」が無料で付与されて、応援したい自治体を選んで、寄付することができます。

寄付金が、各自治体の活動資金として送られる仕組みです。

岩国市では、「錦帯橋周辺に今あるサクラの木を長持ちさせる取り組みに充てたい」としています。