山形県立村山産業高校のグループが、全国高校生の農業活動コンテストで見事、日本一に輝いたんです。
注目したのは県民の「隠れた芋煮需要」。高校生の柔軟な発想とアイデアを取材しました。

鈴木アナウンサー「こんにちは!皆さんが育てているのは何ですか?」
村山産業高校の皆さん「里芋でーす!」

山形県立村山産業高校農業科学部サトイモ・芋煮研究班の皆さん。

地域農業や食などの活動を評価する「全国高校生農業アクション大賞」で見事、日本一の「最優秀賞」に輝きました。
農業の流れを変える画期的なアイデアが、日本一につながったそうですが、今回、そのアイデアを取材!
驚きの里芋アイデアその1!「超促成栽培」。
村山産業高校サトイモ・芋煮研究班代表・村山美夏さん「(県民に)アンケートを行った結果8月上旬から(芋煮の)需要が高まるということがわかって、お盆がある8月に、その時期に家族と芋煮を食べたいという方が多くて」

「芋煮が食べたいのに里芋がない!」そんな隠れた芋に需要を解消すべく、ある「植え方」にたどり着きました。
それが・・・。
村山産業高校サトイモ・芋煮研究班代表・村山美夏さん「逆さ植えといって、芽が出る部分を180度逆さに向けて植え付ける方法。根がよく張り、だいぶ収穫が上がる」

この方法で3月に種芋を植えた生徒たち。

地元農家と協力して温度管理や換気などを試行錯誤した結果、通常の収穫時期よりも2か月早い8月上旬におよそ80キロの里芋の収穫に成功しました。

驚きの里芋アイデアその2!「規格外の里芋の活用」。
村山産業高校サトイモ・芋煮研究班加工班・森谷岳琉さん「加工に回せばおいしい里芋の味のまま、山形県産の里芋のままでみんなにさらに普及できる。付加価値も高められるということで」
超促成栽培をすることで、小ぶりな芋など、どうしても規格外の里芋が出てきてしまいます。

これが生徒たちの手によって芋煮コロッケパンやキッシュ、芋煮もちなど、20品以上に変身。


道の駅などでの販売にもこぎつけ、廃棄することもあった里芋に商品価値をつけました。
教育評論家・尾木直樹さん「よろしくお願いします!」
20日、高校を訪れたのはコンテストで審査委員長を務めた教育評論家の尾木直樹さん。

大賞を受賞した村山産業高校のお祝いに駆けつけました。
(超促成栽培ビニールハウス内で逆さ植えを見学)
教育評論家・尾木直樹さん「うちも兼業農家だったからいろいろなものを栽培していたが、里芋も栽培していたがこれは知らなかった」
教育評論家・尾木直樹さん(芋煮コロッケパン食べて)「美味しい!」(Q売れ行きはどうですか?)生徒「とてもいいです(笑)」

生徒たちの柔軟な発想と挑戦に尾木さんも感心した様子。
教育評論家・尾木直樹さん「めちゃくちゃ好き。芋煮大好き。促成早期栽培。これは大人は考えない。高校生だから無茶なことにチャレンジしたと思う。面白味を感じる。期待したい」

村山産業高校サトイモ・芋煮研究班加工班・森谷岳琉さん「常に売られている、レギュラー販売されるような甘い、里芋を使った加工品を開発しようと、今がんばっている」
「里芋愛」にあふれた生徒たちの挑戦はまだまだ続きます。

村山産業高校の皆さん「村山産業高校は、里芋を使った地域おこしでガッチリ!」

矢野アナウンサー:高校生の里芋、そしてアイディア驚かされますね。

鈴木アナウンサー:がっちりでしょ。村山産業高校の皆さんが今回里芋に着目したきっかけ、こちらをご覧ください。全国の里芋生産量ランキングです。
1位が埼玉県。2位が千葉県。山形県は19位。芋煮の主役、里芋の生産量が低いじゃないですか。

山形県民としてプライドが許さないという思いでこの活動が始まったそうです。
本当にその皆さんの思いと行動力、挑戦力すごいなと思いました。
今度はスイーツも出るかもしれないということで、今後の皆さんの活動に注目したいと思います。