山形県鶴岡市で大みそかに起きた大規模な土砂災害。これまでの経緯を振り返ります。先月31日の深夜1時ごろ、鶴岡市西目で、住宅の裏山が突然崩れました。

報告・結城晃一郎「大きく山肌が崩れまして赤土が露出しているのが分かります。そしてその下にあったであろう建物を見てみると土砂に押し流されてしまってぐしゃぐしゃに潰れてしまっているのがわかります」

裏山が、高さおよそ30メートル、幅およそ100メートルに渡り崩れ落ち、付近の住宅17棟が全壊したほか、住民4人が土砂に飲み込まれました。深夜に起きた大規模な土砂災害。

幸いにも2人がすぐに助け出され、このうちの1人がTUYの取材に対し当時の状況を語りました。

救助された加藤省一さん(77)「家がバリバリと持っていかれたような感じ、あれ、地震かと。屋根も落ちてきているし、隣の建物がうちの壁をぶち抜いてきましたので」

救助された加藤省一さん(77)「みんな、家は建っているものだとばかり思っていた。あぁ・・・あの山が崩れたんだと。(Qあの山が崩れるとは?)一度もなかった、疑うこともなかった」

残る80代男性と70代女性の夫婦2人の捜索は二次災害の恐れもあったことから慎重に行われました。

そして、発生から3日がすぎた今月2日。

報告・棚橋祐太「隊員たちが一か所を囲むように集まってきました。連絡が取れていなかった2人が見つかった模様です」

ようやく発見されましたが2人の死亡が確認されました。

この土砂災害では、当初、8世帯22人に避難指示が出されました。

その後、一部解除されたものの、今も4世帯13人が家に帰れず市営住宅などで避難生活を送っています。

山形大学・八木浩司名誉教授「雪も降ってきますし、斜面の状況あまりよさそうではないということを考えると、安全を見るということであれば、(家に戻るのは)我慢していただく方がいい」

県はこれまで専門家の現地調査を実施し、雨水などを避けるブルーシートと斜面の動きを観測する伸縮計を設置しました。

また先週から地質を調べるボーリング調査が始まったほか、鶴岡市が崩れた山の水抜き工事を行っていますが、住民の帰宅の目途は立っていません。