続いて山形県内で気になる話題を深く掘り下げる。
「ユウキノフカボリ」です今日は大雪のときにぜひ皆さんにご覧いただきたい。

一酸化炭素中毒に注意

大雪の時期は毎年のように痛ましいニュースがありますよね。こちらご覧ください。

今月の20日です。新潟県の柏崎市で20代の女性が亡くなりました。車で暖をとっていたとみられていて、死因は一酸化炭素中毒でした。
そして21日にも70代の男性が同じような状況で亡くなっているんです。

一酸化炭素中毒とは

そもそも一酸化炭素中毒とは何かを見ていきたいと思います。
山形市消防本部に聞きました。

一酸化炭素は不完全燃焼などで発生するものなんですね。
無味無臭で空気とほぼ同じ重さだということで、発生してもなかなか気づかないそうです。
しかも血中ヘモグロビンとの親和性が酸素の250倍以上だそうで、これどういうことかというと、血というのは体の中で隅々まで酸素を運ぶ役割をしますよね。その役割をしている血に、酸素よりも先に一酸化炭素が結びついちゃう。
酸素がなかなか体中に回らなくなって酸欠状態になる。それが一酸化炭素中毒ということなんだそうです。

症状は…頭痛、めまい、嘔吐、命の危険も“わかりづらい”

初期症状は頭痛などが起きて、その後はめまいですとか嘔吐などの発生。ひどいと命に関わることもあるそうです。
呼吸困難の症状もないということで、非常にわかりづらいんだそうです。

今回は新潟県で車が雪に埋もれることで一酸化炭素中毒になったと見られているんですが、なぜ雪に車が埋まると一酸化炭素中毒になるのか、こちらの映像をご覧ください。

なぜ雪に車が埋まると一酸化炭素中毒に?

JAFの実験の映像

こちらJAFが実験した映像をご覧いただきます。
大雪や吹きだまりにはまって、車が雪に埋もれたとの仮定ですけれど、わかりやすいように車体の下に発煙筒を入れて煙の動きで見ていきたいと思います。
ボンネットですとかあるいはマフラー部分を雪で覆います。

JAFの実験・実験のため発煙筒を使用
JAFの実験・車体の下に一酸化炭素を想定した煙が流れ込む


車体の下を見てみるとマフラーから出た排気ガスが逃げ場をなくして車体の前方の方に流れてくるんですね。

JAFの実験・一酸化炭素想定の煙が車内に入り込む

そしてボンネット付近の吸気口から、エアコンを外気導入にしていた場合なんですが、車内に入っていくんですがこれが早いんですよ。一分程度で車内に排気ガスが充満してしまう。
この排気ガスを吸い込むことで一酸化炭素中毒になるということなんですね。

排気ガスの流れを見ています。

大雪でボンネットあるいはマフラー付近が雪で覆われていた場合なんですが、排気ガスは車体の下を通って外気導入されているエアコンの吸気口から車内に入り込みます。
これが本当に一分程度で充満してましたよね。本当に早かったです。
こういった流れで排気ガスを吸い込むことで一酸化炭素中毒になってしまうという可能性があるわけなんですね。
エアコンが内気循環でも、車体の隙間から排気ガスが入る危険性があるということで、どちらにしても注意が必要なんだそうです。
では、排気ガスの中で一酸化炭素の濃度がどう変わるのか、こちらを見ていきます。

なんと、排気ガスは車内に入り込んでからわずか数分で軽い頭痛を起こす200ppmに到達します。そして15分から20分ぐらいで、このときの計測値の最大値です。1000ppmの上限値を示してしまうんですね。
1000ppmとはどれぐらいかというと、3時間ほどで死に至る可能性がある濃度ということで非常に危険だということがわかると思います。