■男性が明かす「誤射事故」と奪われた「仕事」

十分な補償がなされない一方で、男性の人生は変わってしまったという。事故の詳細を聞いた。

事故現場は急な崖で、体温低下に見舞われる中、山岳救助隊の懸命な処置とヘリコプターの引き上げにより一命を取り留めた。しかし、右大腿骨の開放骨折という重傷を負い、鉛の摘出や骨・筋肉・皮膚の移植など、5回にも及ぶ大手術を受けた。

4ヶ月の入院と18ヶ月の通院を経た今も膝は40度ほどしか曲がらない。半月板も損傷していて、損傷の激しさから人工関節を入れることもできないということだ。

男性の本来の職業は、農業、製炭業、造林業、山菜採取などの自営業だという。しかし「膝に負荷のかかる仕事ができなくなってしまった」。造林の仕事は完全にできなくなり、製炭業や山菜採取もできる状態ではない。農業も縮小せざるを得ない。自営業で国民年金のため、今の状態では障害年金も受け取ることができない。

「今は妻の仕事の手伝いをしながら、膝をかばうことで出る他の部位の痛みを和らげるため、週に一度鍼灸マッサージに通っている」子育て中。老後のことを考えても、到底生活していける状態ではないと訴える。