物価高の波により介護の現場が苦境を強いられています。暖房、食事、衛生管理、どれも節約することができないものですが、すべてコストが上がっています。しかし、利用料を上げることはできません。取材しました。
アポケアとやま 藤井明美 代表:
「この金額を見て『え、やっぱりこれだけ上がっているんだ』と。びっくりしました。なかなか、この部分を何でカバーしていけばいいのか悩ましいところではあります」
富山市にある介護施設「新庄ヒルズ」。
入居者とデイサービスをあわせると70人ほどが利用しています。先月の電気代は2つの施設あわせて92万円近くで去年と比べ22万円以上高くなったといいます。
冬場はエアコンのほか蓄熱暖房と床暖房を併用。利用者のヒートショックを防ぐため、浴室には遠赤外線ストーブを完備しています。
また、感染症対策として空気清浄機7台を常時稼働していて、その分のコストも上乗せされていきます。値上がりしたのは、ほかにも…。
アポケアとやま 藤井明美 代表:
「食材もものすごく上がりつつある。高齢者はなかなか固いものを食べられない。栄養の吸収率も悪くなっているので、消化の良いもの、高カロリーなもの、高たんぱくなものとかになると金額が上がってきます。食事だけが楽しみの人も多いので、食事は何とかしていきたいと思ってます」
さらにマスクや防護服などの備品も去年から軒並み値上がりしているといいます。しかし利用者の健康を守るためどれも削ることはできません。
一方で、介護サービスの利用料は国が決めているため、コストがかさんでも転嫁できないのが現状で迅速な支援策が求められます。
アポケアとやま 藤井明美 代表:
「応援をもっとしてほしい。国も、県も、市も。いまほしいときにスピード感をもって助けていただかないと助かるものも助からない。ぜひスピード感をもって介護の現場を守っていただきたい」