富山県魚津市の水産食料品メーカー「油本水産」は15日、富山地裁魚津支部から破産手続きの開始決定を受けたことが帝国データバンク、および東京商工リサーチの調べでわかりました。負債総額は約4億2200万円に上り、うち金融債務は約3億円と見込まれています。

「油本水産」は1955年(昭和30年)の創業以来、約70年にわたり魚介の開き加工やイカ類加工を主力事業として展開してきました。

全国の水産加工業者および商社向けを中心に、ホッケ、アジ、カマスなどの魚介の加工のほか、ホタルイカの桜煮や甘塩スルメイカなどの商品も取り扱っていました。

事業のピーク時には年間売上高5億円強を計上していましたが、近年は需要減少などを背景に受注が減少傾向となり、2025年4月期の売上高は約3億7000万円にまで落ち込んでいました。

長年続いた赤字決算により債務超過に陥った同社は資金繰りが悪化し、2025年9月22日までに事業を停止。事業継続の見通しが立たなくなったことから、破産手続きへと至りました。