夏の高校野球富山大会の注目校を紹介する企画。今回は「自立と自律」をスローガンに9年ぶり3回目の甲子園出場を目指す富山第一高校です。去年の秋季大会制覇、春の北信越大会優勝と勢いに乗る同校が、県勢初の甲子園ベスト4を目指します。

「よっしゃー、いこう!」

9年ぶり3回目の甲子園出場を目指す富山第一。部員54人という大所帯の“富一”野球部が大切にしているのは、自分たちで考えて実践する「自立と自律」。監督が指示を出す前から自発的に練習に取り組みます。

そんな野球部を引っ張るのは福田一颯主将。練習の指示出しをする姿はまさに、監督の分身です。

富山第一 福田一颯主将
「まず1人1人だけ全員主役という自分たちの中でのスローガンがあって、ベンチに入ろうが入らんまいがやっぱり1人1人に役割があってというのを意識して、自分がやはり周りのみんなをそこに導くといういうのがすごく大事だと思うので、他のみんながやりやすい環境をつくるようにしています」

富山第一は去年の秋季大会で優勝。春の北信越大会では準決勝に続き、決勝も逆転勝ちで優勝をつかみとりました。

富山第一 野口仁監督
「本人たちにもそうやって県外で戦っていく中で、最後まで試合を諦めない、自分たちの攻撃をしっかりしていくということが自信に繋がったなと」

最後まであきらめないチームを引っ張る投手陣は2枚看板。

エースの岩寺翔義投手(3年)は最速147キロのストレートが武器で、野口監督いわく、性格もピッチングもまっすぐ。

富山第一 岩寺翔義投手(3年)
「1年生のときは自分はもっと小さくて、球速とかも遅かったんですけど、ウェイトトレーニングとか下半身強化によって、配球だったり、打者の打ち取り方を学んで、打者をうまく打たせるようになりました」

投手陣のもう一人の要は、変化球が得意な和泉詩大投手(3年)。自身もバッティングが得意でバッターのしぐさを見てピッチングを変えられる「野球の嗅覚」が優れた選手です。

富山第一 和泉詩大投手(3年)
「自分は北信越大会で先発ピッチャーではなくて、岩寺が投げた後で登板することが多く、きつい場面とかあったが、そこを乗り越えて優勝できたんで、自分のメンタル的にもチームとしてのメンタルとかもう、士気が上がった気がします」

春の北信越大会の勢いそのままに目指すのは、県大会を優勝して県勢初の甲子園ベスト4。着実に積み上げてきた練習と経験をこの夏、すべて出し切ります。

富山第一 福田一颯主将(3年)
「県勢初のベスト4っていうのを目標にやっていて、そのためにはこの県大会は圧倒して優勝しないといけないと思うので、最後まで引き締めてやっていきたいと思います」

富山第一の初戦は12日(土)、県営富山球場で富山東と対戦します。