ロシアによるウクライナ侵攻が長期化する中、銅器の町、高岡にウクライナ出身の彫刻家がやってきました。故郷である首都キーウに次ぐ都市ハリコフにはミサイルが飛び、作品を制作する環境ではないということです。
富山県高岡市にやってきたのは、ウクライナ出身で彫刻家のヴォロディーミル・コチュマルさんです。
コチュマルさんはことし7月に福岡県行橋市で開催された国際工房彫刻展で、壮絶な人生のなかで芸術を生み出し続けたメキシコの女性画家「フリーダ・カーロ」の彫刻を出品し大賞を受賞しました。
ウクライナ出身の彫刻家
ヴォロディーミル・コチュマルさん:
「フリーダ・カーロを選んだのは私の国の状況に関連しているからです。女性らしさと人間の精神の強さを伝えたかった」
例年、大賞作品は等身大のブロンズ像を制作し行橋市内に設置することになっていますが、戦争の影響でウクライナでの制作が困難になりました。
ウクライナ出身の彫刻家
ヴォロディーミル・コチュマルさん:
「ハリコフにミサイルが飛び始めたころ出国しました。私の家族はフランスに亡命しています。長男はカナダにいます」
福岡県から鋳物が有名な高岡市かな屋街を紹介され、大型鋳造製品を手がける富山県高岡市の梶原製作所で制作活動をすることになりました。
言語の壁が心配されましたが…。
「私はそれを全て自分で行うことができます」
同じ仕事をする職人同士、出会った初日から通じ合いました。
ウクライナ出身の彫刻家
ヴォロディーミル・コチュマルさん:
「ここがとても気に入りました。ウクライナの仕事場に似ていて地元のような雰囲気です」
梶原製作所 梶原壽治 社長:
「戦時下のウクライナから大変な思いをしてきょう高岡に着かれて。集中できるような制作環境をサポートしたいと思っています」
コチュマルさんは今後、市内の移住体験施設で生活し作品は2023年2月に完成する予定です。