気温1度。雪が降る中、冷たい水が流れる用水路から頭だけ出した高齢女性を発見。通りかかったごみの収集作業員の男性らがとった「とっさの判断」です。

富山市の西裏浩司さん(53)と上市町の蜷川則男さん(70)。富山市の運送会社に勤務しトラックの運転や空き瓶の収集作業などを行っています。

今月8日午前10時半ごろ、2人は富山市本郷の住宅街で空き瓶を回収していました。富山市内の気温は1.2℃で、雪も降っていました。
回収作業をしているとゴミ集積場の近くを流れる用水路の方から助けを求めるような女性の声が聞こえてきました。


先に気づいたのは蜷川さんでした。

蜷川則男さん(70)
「堤防に手をついて、頭だけ出ていた感じで。か細い声で『助けて』と言われたから『えっ!』と思ってすぐに西裏さんに『来て来て』と呼びました」

すかさず西裏さんも現場にかけつけました。

スウェットに薄手の上着を着た高齢女性が冷たい水が流れる用水路から上がれなくなっていました。よく見ると、靴も履いていませんでした。

女性が落ちた用水路は幅180センチ 、深さ120センチ。当時の水深は20センチほどで、流れが速かったといいます。

救助するため用水に入った西裏さん。女性を用水路から持ち上げようとしますが…。

西裏浩司さん(53)
「高さが肩くらいまであるので、その状態でおばあちゃんを担いで上がるのは不可能だと思いまして、警察に連絡しました」

西裏さんは女性が流されないよう抱きかかえ、警察が到着するまでの5分間、声をかけ続けました。その後かけつけた警察官とともに女性を救助しました。

西裏浩司さん(53)
「今回初めてこういう形で遭遇したので、平常心でいられなかったので、その中では最大限できたかなと思います」

蜷川則男さん(70)
「(助けるのは)人として当たりまえのことだったから、助かってよかったなと思います」

富山南警察署は90代女性の人命救助に貢献したとして男性2人に感謝状を贈りました。

県警によりますと今年度、用水路での水難事故にあった人は20人。うち17人が死亡していて、およそ9割が65歳以上の高齢者です。

県は、慣れた道でも水路のそばは歩かないなど注意するよう呼びかけています。