■人海戦術、徐々に効果が…

参加者:
「山口県からきました」

記者:
「どうして山口県から?」

参加者:
「こんなイベントあるって聞いていてもたってもいられず。一般の人がやるウニ駆除するイベント自体はたぶんここ以外ないんじゃないかな」

参加者:
「東京から来ました。自分は魚突きをするんですが、漁協さんといい関係が築けて全国的にこういう運動が広がってくれるといいなと」

「ウニ間引き大作戦」のスタートです。ウニは岩の隙間にしっかり張り付いていて、道具を使わないと取ることができません。駆除は1個1個、手作業です。

泊漁業協同組合 脇山正美組合長:
「漁業者だけだと、これだけ広範囲見られない」

地元の漁協もこの取り組みに期待しています。

泊漁業協同組合 脇山正美組合長:
「若い人たちの力が結集してくれるのがすごくありがたい」

実はこの「ウニ間引き大作戦」は、ことし6月に続き、2回目の開催です。今回も大量のウニが駆除されましたが。

記者:
「初回とくらべてどうですか?」

グリーンスピアーフィッシャーズ
DAICHIMOTOKIさん:

「初回はもっと大きいサイズがたくさんいたんですけど。2回3回と数を重ねると、大きいのが少なくなっていて、ウニの数自体も少なくなったのかな」

前回駆除されたウニは、6箱分でしたが今回は3箱だけ。

ウニのサイズも全体的に小さくなりました。

グリーンスピアーフィッシャーズ
DAICHIMOTOKIさん:

「藻が再生するのに時間がかかりますけど、将来的に再生して魚とかもたくさんいるような海になるとうれしいです」

これで捕獲したウニにも商品価値があればいいのですが。身はスカスカ。味も期待できなさそうですが。

記者:
「さっそく食べてみたいと思います」「いただきます、うん?少し磯臭くて、普通のウニより水っぽい気がします」「おいしいかというとちょっとおいしくないです」

ウニは、寿司ネタや海鮮丼などに人気の高級食材。しかし、富山湾だけでなく今、全国各地でウニが大量発生し、漁業者の厄介者に。

こうした厄介者のウニを再び高級食材に生まれ変わらせたいと各地で様々な取り組みが行われています。

県水産研究所でも…。研究員の松村さんがウニに試験的に食べさせているのは県産のコンブなどの海藻です。

富山県水産研究所 松村航研究員:
「そんなにたくさんエサを与えたわけじゃないので、身はそれほどでもないんですけど、結構、きれいな色をして身が入ってきている。うまく身が入ってそれなりの美味しさですとか、そういう価値があれば1個1000円でも売れると思う」

エサとして試しているものはほかにも…。

富山県水産研究所 松村航研究員:
「これモモです」「ここがモモで、ここがリンゴを食べさせているウニになります」

食べさせていたのは県産のリンゴとモモ。松村さんによるとウニは食べるエサによって 味が変わるといいます。


富山県水産研究所 松村航研究員:
「果物の甘みみたいなものがプラスされれば、本当においしいウニになったらいいなと…。1個2000円くらいで売れれば本当にうれしいと思うんですけどね」

商品化への道はまだまだ遠そうです。いつか富山湾の厄介者が富山湾の宝物になる日が来るのでしょうか。