10年以上役場内でパワハラが横行していた問題をめぐり、日本一小さな村が大きく揺らいでいます。舟橋村議会は16日、古越邦男村長に対する不信任決議案を可決。古越村長は議会を即日解散しました。
記者:
「パワハラ問題をめぐり責任が問われる古越舟橋村長。村政が始まって以来初となる不信任決議案の採決がまもなく行われます」
舟橋村議会の最終日、古越邦男村長に対する不信任決議案が竹島・加藤・古川の村議3人の連名で追加提出されました。
舟橋村役場のパワハラをめぐっては先月末、村が設置した第三者調査委員会から「当時副村長だった古越村長ら管理監督者のコンプライアンス意識が欠如し、10年以上職場内で複数の職員によるパワハラがまん延していた」とする報告書が出ています。
竹島貴行 議員:
「常態化したパワーハランスメントに対し10年以上も看過してきた古越村長の責任は見過ごすことはできません」
「村政及び村民を混乱させ、舟橋村のイメージを大きく損ねた古越村長は村長として不適格であり、古越村長に対する不信任を決議いたします」
不信任決議案は、議長を含めた村議6人全員により採決されます。5人以上賛成すれば可決となります。
森弘秋 議長:
「賛成の諸君の起立を求めます」
採決の結果、6人全員が賛成し村長への不信任決議案が可決されました。
県によりますと記録が残る1974年以降、県内で自治体トップへの不信任決議案が可決されたのは初めていうことです。
これにより、古越村長は10日以内に辞職、または議会を解散しなければ自動失職することになります。
舟橋村 古越邦男 村長:
「私の対応も不手際があったということはございますが、ぜひ、パワハラ(第三者)委員会から出されたことにつきまして、きちんと改善していくことが村民に対する責任と思っておりますので、それをやらせいただきたいと思っています」
一方、傍聴していた村民は…。
傍聴していた人:
「村長だけが悪いだけじゃなくて、役場全体だったり、役場の管理職というか、一部の方々だったり、議員含めて責任はみなさんもってらっしゃると思うので、みんなまとめてちゃんと責任を取る。村長の辞職と解散と両方が必要かなと思っています」
舟橋村民:
「行政の姿としてこれが正しい姿なのかなって疑問はずっと持っていたので、これから少しずつよくなっていくことを願っています」
また、議長からは辞職を求める声も…。
森弘秋 議長:
「私が望むのは村長自らが辞職する。管理能力に欠けた村長は、そんな人にいてもらったら、だめだって言っている。自ら辞めるべきだろう、当たり前じゃない。以上」
不信任決議案可決から1時間後、議長のもとを訪れる古越村長の姿がありました。
古越村長:
「議会を解散するため、通知いたします」
森議長:
「非常に残念です」
古越村長:
「私も残念です」
森議長:
「10日間もあるのに、いち早く(議会を)解散するとは。わかりました」
記者:
「全員が賛成ならば辞職してほしい思いも込められているのでは?」
古越村長:
「そういうのもあるかもしれませんね。改めて新しい村を作るようにしていくことに全力を傾けていくということでございます。(Q:辞職はしないということですか?)はい」
全会一致で決まった村長に対する不信任決議。古越村長は議会解散を選択しました。
パワハラ問題に端を発した日本一小さな村の村長と議会の対立は、解決の糸口がみえないまま、17日から40日以内に村議会議員選挙が行われることになります。