職員の3分の1がパワーハラスメントを受けていた富山県の舟橋村役場。古越邦男村長は今年度内にパワハラ防止対策をまとめ、その後、責任を取る考えを明らかにしました。一方、村議会では村長に対する不信任決議案をめぐる緊急動議が出されていて、採決で可決した場合、古越村長は議会を解散する意向です。
13日開かれた村議会総務教育常任委員会。
総務教育常任委員長 前原英石 村議:
「今回のことがありまして、落ち着かないとは思いますが、当総務委員会に与えられた仕事を粛々とすすめてまいりたいと思っておりますので、どうぞご協力のほどよろしくお願いします」
役場内で10年以上にわたりパワハラがまん延していたという第三者調査委員会の調査結果を受けて、今後の対策などについて話し合われました。
発端は被害者4人による告発です。
調査報告書によりますと、パワハラ問題で「戒告」の懲戒処分を受けた40代の男性職員は、複数の職員に対して不適切な内容のメールを複数回に渡って送信。
また、研修から戻ってきてたまっている書類を片付けていた女性職員に、こんな暴言を浴びせたとしています。
「普段仕事をしていないのに夜ばかり仕事をして時間外をつけるのはダメなやつだから」
「給料泥棒が」
40代の男性職員以外でも、複数の職員によるパワハラと疑われる事案や問題行動が確認され、当時、副村長だった古越村長の対応も不誠実だったということです。
13日に開かれた常任委員会では
▼年度内にパワハラ防止対策をまとめること
▼今週中に職員への説明会を実施すること
▼村民への説明会の検討
などについて取りまとめられました。
また、村長に対して責任のとり方を問う意見も出されました。
古川元規 村議:
「報告書には監督者の猛省と意識改革が必要と表記されています。責任のとり方はどう考えていますか?」
古越邦男 村長:
「この改革をきちっとしていくことが、自分にとって一番重要な課題であると考えている」
古川元規 村議:
「私はトップの猛省があってこそ、職員の意識が変わっていくものだと考えていますが」
古越邦男 村長:
「全職員を対象として説明会を開きますが、その中で私の思いを伝えたいと思っています」
(ここまで、常任委員会でのやりとり)
古越邦男 村長:
「(Q.責任のとり方について話が出ましたが?)それにつきましては、今さきほどといいますか、前も言ってます通り、この対応をきちっとやってから、私の方からお話をさせていただければと思います」
パワハラ問題で全国から注目を集める「日本一、小さな村」。トップの責任をめぐり議会も大きく揺れ動いています。
記者:
「12日の本会議で村長に対する不信任決議案を出す意向が議員から示されました。採決されれば村政が始まって以来、初めてのこととなります」
村議会では12日、古越村長に対する不信任決議案について緊急動議が出されました。
現在の議員数は6人で、決議には3分の2の議員が出席し、4分の3の同意が必要となります。
議長を含めた5人の賛成が条件となります。可決した場合、村長は辞職か議会の解散を迫られる形となりますが…。
古越邦男 村長:
「(Q.可決された場合は解散?)そうですね、はい」「解散する理由は、私自身きちっとやっていくということを申し上げているので、それを見ていただ上でと思っていたのですけれど、そうじゃないよという取り組みですので、その点、解散をするということになるかと思います」
村長に対する不信任決議案を提出するかどうかは、14日の議会運営委員会で決まります。
提出された場合は16日に採決が行われますが、複数の村議は取材に対し可決は難しいとの見方を示しています。