訓練生、初のソロフライト

訓練にかかる費用は、レースチームが負担します。パイオニアとして苦労して道を切り拓いてきた室屋さんだからこそ、世界一を目指す道の険しさを知っています。

室屋選手「道はだいたいできた。僕自身の歩いてきた道はできた。そこを上りやすいように階段を作ってあげることで次々とつながっていけば、だんだん文化的にも航空スポーツがしっかり根付く。次の未来をつくるのは、僕ににとって結構楽しみな活動です」

春から始まったレースパイロットプログラムは、4回の選抜試験を経て、当初32人いた候補生はわずか4人に絞られました。この日は、訓練生イチロー(27)が初めて独りでフライトします。

室屋選手「僕でもファーストソロは鮮明に覚えている。19歳の時。それぐらい特別な思い出です、ファーストソロって。パイロット人生で一番思い出に残ると思う」

パイロットの誕生日とも言えるファーストソロ。自分自身で状況判断し、安全に飛行する技術力と判断力が求められます。

地上では、イチローのファーストソロを室屋さんが見守ります。そして、なぜか水の入ったバケツが大量に用意されました。

初めての単独飛行でも、イチローは落ち着いていました。ファーストソロを終えてイチローがスカイパークに帰ってきました。

室屋選手「無事降りましたね、第1号ね」
イチロー「怖かった~」

航空人生で一度しかないファーストソロをみんなで祝います。

訓練生・石本真一郎さん(イチロー)「最高の仲間たちと最高の師匠たちに囲まれてファーストソロを達成できたので、最高の気持ちです。大人になった気分」

室屋さんが育てるレースパイロットの卵たち。5年後のレースデビューを目指して今も訓練が続いています。