毎月17日は、日本高血圧学会が制定した「減塩の日」です。17日、福島県福島市や郡山市のスーパーでは、減塩について考えるトークショーが行われました。
県健康づくり推進課 渡辺春佳さん「食塩摂取量は(福島は)全国でワースト2位という状況がまずあります」
17日、郡山市のヨークベニマル横塚店では、県の担当者や福島美少女図鑑など4人が、県民がいかに塩分を取り過ぎているかや塩分を減らしてもおいしく食べられる方法などをクイズを交えて話し合いました。
また来場者は塩分控えめの味噌汁に味の素を入れて味を調えるなど減塩の仕方を学んでいました。
60代女性「味を濃くしちゃったりするので、味噌汁とかちょっと考えたいなと思いました」
味の素食品事業本部東北支社 山﨑瑛二さん「少しでも福島県民の方々に減塩というのを知っていただいて、健康というところにしっかり進んでいただければ」
福島県は、全国で2番目に食塩摂取量が多いことから、県は今後もスーパーなどと連携して減塩に取り組みたいとしています。
【スタジオ解説】
最近は減塩を意識する人も増えていますが、県内はどうなのでしょうか。こちらは、都道府県別の食塩摂取量ランキングです。これをみると、福島は長野に続き全国で2番目に食塩の摂取量が多いことが分かります。

なぜ福島県民は塩分を摂りすぎてしまうのか。専門家によると福島の地理や、あの名物にも理由がありました。塩を多く使う理由の一つは、会津と中通りに海がないことだといいます。
福島学院短期大学部食物栄養学科・室井弘子准教授「食品を長期保存させるために、例えばお魚でも塩蔵にしたりとかですね、食文化の流れがあるというようなことが考えられると思います」
また、福島県民が大好きなあの食べ物も理由のひとつでした。
室井准教授「ラーメンをものすごく食べる、汁を飲み干してしまうというような習慣を持っている方が多いんではないかなという印象を受けております」
確かに、福島県民はラーメンを食べる機会は多いですね。ただ、心配なのが体の不調だと思います。特に気を付けなければいけないのが塩分の摂りすぎで、心臓に負担がかかり起こる「高血圧」です。

室井准教授「高血圧がもとで引き起こされる病気がごまんとあります」
高血圧は、腎臓病や脳卒中など様々な病気の原因になるといいます。また、高血圧にはこんな別名も。
室井准教授「緩やかに進行して自覚症状がないというところで『沈黙の殺し屋』といってサイレントキラーというちょっと怖い名前が」
「沈黙の殺し屋」と、怖いですね。でも、それだけ高血圧は危険だということですね。高血圧にならないためにも減塩を意識しないといけません。そのためには、普段の食事の塩分がどうなっているのかを知ることも大切です。

例えば、インスタントラーメンや漬物。タラコやイクラなど白いごはんに合うものにも塩分は多く含まれています。でも、これらはおいしいから食べたいですよね。そこで、室井さんに減塩するコツを伺いました。
まず、ラーメンやうどんなど「麺類の汁は最後まで飲まない」。
漬物は「酢漬け」にするだけで塩分量をかなり抑えることもできます。
また、味噌汁は出来るだけしっかりと出汁をとり、使う味噌の量を減らすようにしましょう。さらに、お刺身などを食べるときは「醤油スプレー」を使うようにする。ちょっとの工夫で「沈黙の殺し屋」から身を守りましょう。

ちなみに、外食で「味が薄い」と感じる人は普段の食事で塩分を摂りすぎている可能性が高いということです。自分の健康のために、今からでも減塩に取り組んでいきたいですね。