震災のときに子どもだった若者たちを取り巻くいまを考える、シリーズ「それから~若者たちの震災」。TUFでは今回独自に、岩手・宮城・福島の3県で、語り部活動を実施している団体などにアンケート調査を実施しました。


回答が得られた21の団体で登録している「語り部」の人数は13.6人で、これを20代以下に限ってみますと、4.5人でした。


人数の分布を見てみますと、現状で0人から5人が最も多く11団体ありました。10人以上とした団体は、6団体あります。一方で、20代以下の語り部が5人以下のところは19団体と、9割を占め、このうち、13団体が「いない」と回答しています。


この20代以下の「語り部」を増やす予定があるか聞いたところ、およそ6割が「ある」と答えている一方で、若い世代への伝承については、9割近くの団体が「課題を感じている」と回答しています

では、どういう点を課題だと感じいているのか。

最も多かったのが「学業や仕事との両立」です。

「20代は仕事や子育てに忙しい時期なので、よほど意識が高くないと伝承活動ができない」(岩手の団体)

「仕事をしている人に、1時間だけ対応してもらうのは難しい」(岩手の団体)

アンケートでは、語り部の報酬についても聞きました。それぞれ価格設定が異なるため一概には、比較できませんが、約半数の10団体が、1講演あたり3000円から5000円としています。

また「語るきっかけ」を課題に挙げた団体もありました。

「震災を経験した若い子の中には、まだまだあの日を語れない実情がある。日々の生活に追われてきたこと、当時の学校などでのケアが十分できずにいたため、語ることができない雰囲気を感じていることなどがあるとみています」(宮城の団体)

このほか、震災に加え、原発事故の経験も伝承している福島の団体からは「経験の違い」を指摘していました。

「世代や地域の違いがハードルになっていて、体験者の伝承が進まない。学校教育の場で、『語り部育成』について、地域と連携していく姿勢が不足している」(福島の団体)

「震災時の記憶がある世代からは、語り部になることは比較的可能と感じています。しかし、その次の世代への継承は、すごく難しいのではないかと思っています」(福島の団体)

また「世代を超えた伝承」については、次のような声が届いています。

「伝承は大事なことだが、若い世代に押し付けたくない気持ちもある」(福島の団体)