記録的な大雨から6日、福島県いわき市で被害が集中した地区には、被災した人たちを支える市の支援センターが立ち上がりましたが、問題も浮かんでいます。後片付けを手伝う人手が不足していて、今、ボランティアの力が求められています。
部屋の中で椅子に座り、前を見つめる女性。いわき市の数馬良子さん(87)です。家族と住む数馬さんの家は被害が集中した内郷地区にあり、8日、床上まで水につかりました。その夜、椅子に座ったまま、眠れぬ夜を過ごしたといいます。
数馬さん「避難も何も水がいっぱいで、まっすぐ道路から入ってきた」

数馬さんの家は親戚の手伝いもあり、後片付けが続いていますが、日に日に疲労の色は濃くなっています。
数馬さん「拭いたんだけどもう疲れてしまって。年寄りだから動けないですよ」
義理の息子の桜井久司さんが14日朝に向かったのは、13日に内郷地区に開設された現地支援センターでした。センターは、被災者が望んでいることを現地で聞いて対応をするため設置されました。り災証明の申請やボランティアセンターとの連絡調整など、被災者の支援をワンストップで行います。
桜井さんが支援センターを通して利用したのが無料のカーシェアリング。後片付けを進めるためにも車は欠かせません。
桜井さん「自宅と実家の2軒水が上がっているので、床上で。畳上げとかの重さはボランティアの人がいれば助かるでしょうね。自分で運んでみて重かった」
ボランティアの受け付け、派遣をするいわき市のボランティアセンターには、14日も、被災した地域に向かう人の姿がありました。
小名浜からボランティアに来た人「ボランティアの数も少ないと聞いたので、一人でも多く参加できればと思って来ました」
14日は正午までに126人のボランティアが活動しましたが、被害の規模に比べ十分とはいえない状況です。

いわき市社会福祉協議会・重村友紀さん「まだ全然人が足りていません。もっともっといわき市民の方、被災されている方のことを考えていただいて、全国から福島県内、いわき市にみなさん来ていただいて活動していただければと思っています」
いわき市の内田市長もSNSで「今一番の課題はボランティア不足、必要数は私の試算でおよそ1300人ですが、活動中は100数十人」と訴えています。

記録的な大雨から15日で1週間。被災した人たちの疲れはピークに達しつつあります。いわき市では、福島県内だけでなく、13日から県外にもボランティアの募集を呼びかけています。ボランティアセンターでは、被災した人たちの疲れもたまってきている中、この週末からの3連休は、特に多くのボランティアが来てもらえればありがたいと話しています。