元陸上自衛官の五ノ井里奈さんに対して、わいせつな行為をしたとされる当時同僚だった被告の男3人の第4回公判が、12日、福島地裁で開かれました。今回の裁判では被告3人のうち2人への被告人質問が行われ、1人は「陰部の接触はなく、性的な意図は一切なかった」などと主張しました。一方、裁判の後に取材に応じた五ノ井さんは「徹底的に闘いたい」と語りました。
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強制わいせつの罪に問われているのは、福島県の陸上自衛隊郡山駐屯地に所属していた元陸上自衛官の被告の男3人です。
起訴状によりますと、3人はおととし8月、北海道の演習場で当時同僚だった五ノ井里奈さんに格闘技をかけてベッドに倒し、覆いかぶさって下半身を押しつけるなど、わいせつな行為をしたとされています。3人は、6月に開かれた初公判で起訴内容を否認し、無罪を主張しました。
12日に福島地裁で開かれた第4回公判では、被告3人のうち、被告Aと被告Bの2人への被告人質問が行われました。
被告Aは、弁護人から「五ノ井さんと着衣越しに陰部の接触があったかどうか」という質問に対し、きっぱりとした口調で「ありません」と答えました。腰を振ったことについても検察から「性的な意図があったか」を問われると「性的意図は一切ない」と主張しました。
また、被告Bは「上司の指示で五ノ井さんに技をかけたが、腰は振っていない」などと話しました。
裁判の後、五ノ井さんが取材に応じ「全く反省していないんだなって。私自身はもう許すことはないと思っているし、徹底的に闘いたい」と静かな口調で怒りをにじませました。
次の公判は25日に開かれ、引き続き被告人質問が行われます。