今月24日から始まった福島第一原発の処理水の海洋放出をめぐり、東京電力は27日、処理水の放出設備などを公開しました。

公開されたのは、処理水を海水で希釈し放出するための設備と、放出設備の運転状況を確認する集中監視室です。
このうち放出設備は、希釈した処理水を管理し、その後、海へと放出する2つの水槽と、放出前の処理水のトリチウム濃度を測定する「サンプリングラック」などが公開されました。
放出をめぐっては、これまでのところトラブルはなく、東京電力は「今後も実施計画に則りミスなく丁寧に実施する」としています。
処理水は今年度、3万1200トンを4回に分けて放出する計画です。

一方、県と環境省は処理水放出後、それぞれ独自に放出口周辺の海水を採取し、放射性物質「トリチウム」の濃度を分析しています。
その結果が27日公表され、県・環境省ともに、濃度が検出できる下限の値を下回り「人や環境への影響がないことを確認した」ということです。
県と環境省は今後も測定を続け、さらに精密な分析も併行して行うなど、モニタリングを徹底するとしています。

また水産庁によりますと、放出後に測定した魚のトリチウム濃度も、検出できる限界値を下回り放出前と変わらない「不検出」だったということです。
水産庁では、少なくとも今後1か月は毎日、福島原発沖で穫れた魚のトリチウム濃度を調べホームページで公表することにしています。