■赤宇木で約700年続く今野家

新緑が映えていた赤宇木中平地区。

築170年になるという邦彦さんの自宅は中平と呼ばれる場所にあります。今野家は相馬藩主とともに赤宇木に入ったと言われ、約700年にわたり、この場所で生活を営んできました。

先祖の遺影とともに代々伝わる裃(かもしも)が用意された。


先祖とともに、家の最後を見届けようと遺影を並べ、代々伝わる裃(かみしも)も用意しました。

「これはダメだ……」

家の中は動物に荒らされていた。


家に入った姉たちは、驚きを隠せません。中は動物に荒らされ、足の踏み場がない状況でした。それでも、大黒柱や梁に目を向けると、古い家独特のどっしりとした存在感を放っています。

欄間や障子は凝った作りになっていて、襖は桐の一枚板だといいます。赤宇木の歴史そのものが、きょうだいの生活の中にありました。

母の嫁入り道具のたんすを開くかつ子さん。

長女・かつ子さん「このたんすは母ちゃんの嫁入り道具あの当時、たんすも買えないのに、買ってもらって。他のきょうだいは買ってもらえなかったって聞いている」

大きなものは持ち運びが難しいため、それぞれ、持ち出しができる思い出の品を持ち帰りました。