それでも「戻れない」現実と葛藤

故郷に戻りたくても戻れない葛藤もあります。

松永さん「まだ自宅も解体、除染していないので。先のことになると思うので、迷っている」

大堀地区にはかつて20を超える窯元がありましたが、原発事故のあと、およそ半数が廃業。震災・原発事故12年の歳月の中、それぞれが避難先に工房につくるなど、再スタートを切っています。

松永さんと客のやりとり「今度、浜の駅にそばちょこ置いて。近くだから週1くらいは行くから」

故郷に大堀相馬焼をどう残していくか、その答えは松永さんにもはっきりとは分かりません。

松永和生さん「年に1回とかそういう形でみなさんに来てもらえれば。とりあえずはそういう方法で良いのかな」

300年以上続く伝統の火を絶やさないため、模索が続いています。