中学校の部活動で参加する「中体連」の大会は、これまでは原則、中学校単位で参加していましたが、今年度から中学校に所属しない民間のクラブチームの参加が可能になりました。

国は現在、深刻な少子化や教員の働き方改革の推進を背景として、部活動を地域のクラブなどに移す「部活動地域移行」を進めています。こうした動きに合わせて、福島県の中体連は、今年度から大会の参加資格を緩和して、地域のクラブチームの参加を認めました。

今回は、参加資格を得た本宮市にあるソフトテニスのクラブチームを取材しました。

室内コートに響き渡る、ボールの音。本宮市にある本宮ソフトテニススポーツ少年団です。本宮市のほか、郡山市や大玉村の中学生10人が所属するチームは、学校の部活動を終えてから週に2回、2時間ほど汗を流します。

指導者「素直にそのまま引いて、股関節でしっかり押して、グリップが向いてヘッドはついていかない」

県大会で優勝経験もあるコーチなど、およそ10人が指導にあたるこちらのチーム。継続的な活動や指導者の資格取得状況などの要件を満たしたため、中体連の大会への参加資格を得ました。

6月から始まる大会にチームとして参加する予定は今のところないといいますが、このチームの団長で、県ソフトテニス連盟理事長の小野間幸一さんは、今回の参加条件の緩和を前向きにとらえています。

本宮ソフトテニススポーツ少年団・小野間幸一団長「テニス部がなかったり、男女ともに部活動がなかったりする学校もあるので、そういう場合に地域にクラブがあれば選択肢に入れられる

このように話す背景には、競技を断念した生徒を見てきた過去がありました。

小野間団長「小学生男子がテニスをやっていたが、進学した中学校でテニス部がなくて、泣く泣く違う部活動に入った」

少子化の影響で部活動を維持することが難しい学校もある中、大会参加資格の緩和には、新たな可能性が秘められているのかもしれません。