1964年“惨敗”と言われた東京五輪がきっかけに
スポーツ社会学を研究する福島大学の蓮沼哲哉准教授は、スイミングスクールが広がった背景に1964年の東京オリンピックがあると話します。
福島大学人間発達文化学類・蓮沼哲哉准教授「日本の水泳界が、実は1964年の東京オリンピックで活躍できなかった時代がある。当時のオリンピアンたちが自分たちの私財を投じてスイミングスクールを立ち上げて、一気にスイミングスクールが日本中に広がっていったんですね」

東京オリンピック後、全国各地に作られたスイミングスクールですが、当時子どもたちに水泳の文化は根付きませんでした。
福島大学人間発達文化学類・蓮沼哲哉准教授「わざわざ泳ぐのに、お金を払って(習い事として)スイミングに通うまで時間がかかった」
しかし1988年、“ある選手”の活躍が、水泳の人気に火をつけます。
福島大学人間発達文化学類・蓮沼哲哉准教授「鈴木大地さんがソウルオリンピックでメダルを獲得したことがすごく大きな影響だった」

蓮沼准教授によると、当時、日本水泳界に16年ぶりの金メダルをもたらした鈴木選手の活躍で水泳を始める子どもが急増。
その子どもが親となり、自分の子どもに水泳を習わせたことがきっかけで、その後、徐々に競技人口が増え、習い事として水泳の人気が高まったといいます。