郡山市の中心街に店を構えて70年余りの「三松会館」。県の内外から多くの人々に愛されるこの店は、訪れる人のお腹と心を満たしてきました。
メニューの数はおよそ100種類。「うまいものを安く、そしてお腹いっぱいに」という思いが一皿一皿に込められています。
訪れた客からは「なんでもあるんで、迷ったらここ来ればいいかなっていう感じ」「早いし、おいしいし、子どもにも優しいので、安心して来させてもらってます」といった声が聞かれます。
小さな店から始まった歴史と親子の絆
三松会館の創業は1953年。2代目で会長の松﨑昭信さんの叔父、三治さんが食堂を開いたのが始まりでした。当初は調理場が4坪ほど、テーブルは2つしかない小さな店で、出前が中心だったといいます。昭信さんは高校生のときから店を手伝い、卒業後に正式に店に入って代を受け継ぎました。
現在、昭信さんは3代目で息子の聡さんとともに店を切り盛りしています。今も朝から厨房に立ち、親子で開店の準備を進めます。聡さんは父について、「ずっと朝から晩まで一緒にいて、ほとんどしゃべることもないですけども、真似しようと思ってもできないことが多いですね、やっぱり」と語ります。
毎日でも食べたい、シンプルで奥深い味
開店と同時に次々と注文が入る中で、特に人気なのが「レバニラ定食」です。多い日には1日30食ほど出て、テイクアウトする人もいるといいます。
味付けはニンニクとしょうゆのみ。おいしさの秘訣は「レバーをいかに薄く小さく切ったっていうことだけだね。熱いとどうしても匂いが残るんだよ」と昭信さんは話します。湯気と香りが食欲をそそる一品です。
また、創業当時から変わらない一皿が、昔ながらの「オムライス」。具材は鶏肉と玉ねぎだけ、卵も1つという究極のシンプルさです。「シンプルだから、何回食っても飽きないから、いいんだよって言う人も結構多いの。だから味は変えない」と昭信さんは語ります。
この店の味について、昭信さんはこう表現します。
「空気のような味、水のような味、それは特徴がなくて、毎日必要なもの、そういうような感じで毎日作ってから」
常連客に人気の裏メニュー
夕方になると、店内には心がほどけていくような時間が流れます。酒の肴として人気なのが、メニューにはない「紅生姜の天ぷら」です。これは、大阪出身の客がきっかけで生まれた一品。普通の生姜がなかったため紅生姜で天ぷらを作ったところ、「これうまいぞ!」と喜ばれたことから、今では常連客の裏メニューとして定着しています。
月日が流れても変わらない温かさで、お腹と心を満たす三松会館。松﨑さんはこれからも、この街とともに歩み続けます。
「みんなに飽きないで愛される店ね。三松に行ったら、いつでも安心して食べられるって、おいしいから大丈夫だよっていうような、そういう店づくりしたいの」
『ステップ』
福島県内にて月~金曜日 夕方6時15分~放送中
(2026年6月25日放送回より)













